試行錯誤=クリエイティブ

 

たとえば「全く危険のない回転ドア」を作ろうという時には 学生に自分なりにとにかく絵を書いたり、 模型を作るところまで持ってこさせるんです。 今ある回転ドアの構造や問題点を参考に見るのはそれからです。 さきに現物を見てしまうと、そのあたりから思考が離れられなくなってしまう。 クリエイティブっていうのは、とにかく自分なりに考えるって事が大事なんですよ。

 

車でつけたラジオから聞こえてくる声。

わかる、かみしめる、 そういうことを考えていました。自分で自分なりに考えて工夫して 試行錯誤して 数学の公式みたいに ただ覚えるんじゃなくて その公式を編み出した人の気持ちにならなければ。 クリエイティブでありたいなら。

 

(猛烈なスピードで逆回転する時計)

ヴィヴィアン・ウェストウッド展@ 六本木ヒルズ I have a kind of in-built cIock which always reacts against anything orthodox.

 

反骨でロックで。 なんとなくいかれポンチという軽い偏見があったけれども。参った。 参りました。こうしたら売れると思うねん。とかそういう「こすい」ところが全然ない。

 

私はたくさんの開かれるべき扉をもっていた。彼( マルコム・マクラーレン) は「鍵」を持っていた。私の才能の扉を開ける「鍵」を。

 

そんな言葉を目にすると、そういう扉を開けようとしてもがいている自分とどこか重なってもっと彼女 の事を知りたくなりました。 そういう彼女を思って服を見ていると 一見おバカなそのお洋服が、実はとてもシルエットにこだわっているのだと気づいたり、 服装史をものすごい勉強してることに気づいたりするのです。 こうしたらもっと素敵にならないかしらと、ああでもないこうでもない、とピンを打っては直している姿が見えるようです。

 

着るものがないから何か縫わなくちゃ、と思うとき、服ってこういう風に縫うのよという本をまず見ちゃって よくわからなくて面倒になっちゃうことがよくあるけれども、正解は実はないのですね。 大切なのはこういうものを作りたいと思うこと。 それにはどうしたらいいのか自分なりに考える。当たり前のようなことだけど 私は何かに囚われているのです、いつも。

 

あるものを、公式を、適用すればある意味楽に作れます。でも従来の枠を越えることは出来ません。 適用するにしても、ちゃんと意味がわかっていなければ 応用することが出来ません。 ヴィヴイアンに頭殴られっぱなし。 参った参った。

 

(2006年1月9日)